東京さばい部

TOKYO SURVIVE 東京砂漠で生き残れ

Vulfpeckのマジソンスクエアガーデンライブ(YouTubeで観られるご機嫌なライブ真打ち)

 皆様いかがお過ごしですか。

 私は相変わらずテレワークが続いてます。初めはそれこそコロナへの緊急措置で始まったような感じでしたが、半年以上も通勤電車に乗らない仕事を続けてみると、もう元に戻るのは嫌だな・・・と思う次第です。

 前置きはさておき。相変わらずライブが以前のような状態では開催が難しい中、私は未だにYouTubeで色々なライブ映像を観て楽しんでいるのですが、先日本当に素晴らしいライブ映像を見つけた、見つけたと言ってももう、9ヶ月も前に公開されてる映像なので、通の方々からすると「何を今更」って感じだと思うのですが、えらく感動してしまって、記事を書きたくてしゃあないので、書きますね。

 今は、私に限らずそういう人が多いと思うんですけど、もう、音楽雑誌とか買わないんですよね。Apple MusicやYouTubeが、自分の再生したものに合わせて、どんどん色んなものをサジェスチョンしてくれるので、今日日、新しい音楽との出会いは、そういったオススメを次から次からと観聴きして、気に入ったものをどんどん掘り下げるという感じです。で、つい先日YouTubeさんがオススメしてくれたこれ、本当にドンズバの、素晴らしいライブでした。

 ヴォルフペックというバンドの、ニューヨークはマジソンスクエアガーデンでのライブ映像です。

 まず、何らの先入観なしでこのライブ映像を観ただけでもう、私は完全にノックアウトされたのですが、余りに良過ぎて、このバンドについて色々調べれば調べるほど、このライブの特別さを知りました。

 まずこのバンド、レコード会社との契約がないのですよね。そして所謂ヒット曲、というものもない。プロモーション活動はYouTubeなどがメイン。そんなバンドが、NYは音楽の殿堂、日本で言えば武道館的な存在のマジソンスクエアガーデンをソールドアウトした、これはもう前代未聞なわけです。

 そこに辿り着くまでの経緯は他の記事などに詳しいので、そちらを見て頂くとして。

 とにかく楽曲が素晴らしいので、改めてスタジオテイクをApple Musicで聴いてみたりしたのですが、このマジソンスクエアガーデンのライブバージョンにはかなわないなあ。もう、生粋のライブバンドなんですよね。こうして生で演奏される楽曲群の雰囲気は、まあ70〜80年代フレーバーの古き良き、と言ってしまってもいい、正統派ファンク/ソウルミュージックなんですけど、今この時代において、そして彼らの風貌、言ってみたら普通のおっさんみたいな、それがこれをやる、という新鮮さもあるのでしょう。私と同世代の人に刺さるのは勿論、シティポップなんかを好む若い人にはかえって、新鮮に映るのではないかな。

 風変わりかつアットホームなステージセットは、彼らが日頃練習している地下室のファニチャーを持ち込んだもので、さらに全編iPhone1台のワンカットで撮られた(70年代っぽいフィルターのかかった)映像、ちょっと他では観たことのないようなアーティスト目線のアングルで、さらに魅力を増してくれています。

 しかし繰り返しになりますが、真の魅力は楽曲と、ズバ抜けたグルーブ感ですよね。2曲目の「コリーウォン」(ギタリストの名前そのまま)の半端ないグルーブ感、それに続く「マイファーストカー」の浮遊感のあるコード、気持ちよいリズム。続く「テスラ」の再び怒濤のグルーブ。前半のこの3連発が本当に素晴らしい。後半に入っては「バックポケット」での会場と一体となったゴスペルコーラス。本編ラスト?の「ディーンタウン」(これタイトルも楽曲も、ウェザーレポートの曲でジャコパス作の「ティーンタウン」のオマージュっぽい)のキメキメのブレイク。インストで、しかも口ずさむような親しみのあるメロディじゃないのに、客が演奏に合わせて大合唱してるのもいい。全体的に客の合唱が多いんですが、この日のためにコアなファンが世界のあちこちから集まった証拠でしょう。

 メンバーが目まぐるしく入れ替わり立ち替わりで、まるでザ・バンドの「ラストワルツ」でも観ているかのような感覚で、あっという間の1時間44分。

 このライブ、様々なストリーミングサービスで音源も聴けますが、アナログLP、バンドキャンプで売ってたんだなあ、もう売り切れてます。いつも気付くのが遅いんですよねえ。まあタイミングなので、こればっかりは仕方ない。この映像を公開してくれた事にとにかく感謝です。こんな素晴らしいライブ、滅多に観られるものではないですから。

 

 よくよく追っていくと何度も記事を書いているルイスコールとも共演してた。

 

 彼らのオフィシャルサイトはこちら