AppleTV独占配信「ビースティ・ボーイズ・ストーリー」を観た。
コロナ禍で、Stay Home, Stay Safe, Stay Hipな世の中。何週間も外出自粛って家で何してりゃいいのさ、YouTube観るのも飽きちゃったよ、ってな折、AppleTVオリジナルの独占配信コンテンツである「ビースティ・ボーイズ・ストーリー」を早速、観ました。
欧米で発売になったヒストリー本「Beastie Boys Book」(日本未発売)のフォローアップとして開催されたステージでのトークショーを、当日トークショーの現場監督でもあったスパイク・ジョーンズが、映像作品としてまとめたものです。
ビースティ・ボーイズの3人のメンバーのうち、MCAことアダム・ヤウクは、2012年に47歳の若さで癌により他界しているため、アドロックことアダム・ホロヴィッツと、マイクDことマイク・ダイアモンドの残党2人のメンバーが、ステージにて観客を前に、本の内容に沿って、ビースティ・ボーイズの活動を振り返るトークショーを行います。
デビュー当時のビースティーズ
ビースティ・ボーイズの活動時期というのは、世代的に私はドンズバなんですが、ビースティ・ボーイズを真剣に聴き始めたのはホントにここ2、3年のことです。
何でかと言うと、1986年、デビュー当時のビースティ・ボーイズ、若かりし頃の自分にはバカな白人坊やにしか見えなかったし、ラッパーとしての魅力も感じなかったし、大ヒット曲「ファイト・フォー・ユア・ライト」自体も、MTVで大プッシュされてて何度聴かされたかわからないけれど、スモーク・オン・ザ・ウォーターのリフのカットアップで、出来の悪いハードロックにしか聞こえなかったし(そもそもディープ・パープルが嫌いだったしね)。なのでファーストアルバムの大ヒット後、露出がぐんと少なくなった以降は、彼らの活動を全く気にもしていませんでした。
それから幾年月。J.J.エイブラムス監督による一連の「スター・トレック」シリーズをたまたまAmazonプライムビデオで観た際に、その中で何度か繰り返し、ビースティ・ボーイズの「サボタージュ」という曲がフィーチャーされていたのですが、カッコいいな、と思って。それをきっかけにベスト盤を聴いてみたのがきっかけでした。(ちなみにJ.J.エイブラムス監督はビースティ・ボーイズの大ファンらしく、スター・トレックシリーズでは3作全てに、ビースティ・ボーイズが流れるシーンがあります)
今回の映像作品でも詳細に語られていますが、彼らのデビュー時に、トップに駆け上がるのを支えたリック・ルービン、そしてDEF JAMレーベルと袂を分かち、シリアスなミュージシャンとしてセカンドアルバム以降茨の道を進み始めた彼らの功績、ミュージシャンとしてラッパーとして、最高の楽曲を自分たちの手で作り続けていたという事実、自分は音楽好きを自認しながらもその一部始終を、ほんの数年前まで、すっかり見落としていたことに気がつきました。しかし、時既に遅し、MCAは他界しており、それによってビースティ・ボーイズも解散してしまっていました。
ところが、ちょうど2018年に、上述の「Beastie Boys Book」なる本が欧米で出版されまして、改めて彼らの軌跡を追うにはバッチリだなーと、邦訳版リリースを楽しみに待っていたのです。しかし待てど暮らせど、どの出版社からも出版される気配はなく、ガッカリしていました。
そんな折、AppleTVにて、そのトークショーの映像作品が独占配信されるというアナウンスがあり、いやはや、待ちに待ったとはまさにこのこと。AppleTVのコンテンツって正直、全く魅力ないのですけど(笑)この1本で十分元を取れた感じです(って、iPhoneを買い換えたら付いてきた無料お試し期間中なので、実質タダですけども)。
内容も本当に素晴らしく、長年のコラボレーターであるスパイク・ジョーンズとの掛け合いも絶妙。上述したデビュー作の大ヒット後、バンドを立て直すあたりの事情も、この映像作品で十分に語られています。
そしてラストは、ちょっと泣いてしまったな。
人生でこういう、唯一無二の友人に出会えた彼らは、本当に幸せだと思います。全ての音楽好き、いや、音楽に興味なくても、こういった人生もある、ってことで、良質のドキュメンタリーとして、是非観て欲しいです。
AppleTV(ハード)がなくてもFire TV Stickで
Fire TV Stickって、アマゾンプライムビデオは勿論ですけど、ネトフリも、そしてAppleTVもアプリを入れて観ることが出来ます。iPhoneでアカウント登録済みの人は、QRコードで認証もチョー簡単。これはホントに素晴らしい。買っといてよかったよ。
ビースティ・ボーイズ・ストーリーよかった、って人へ
このビデオを観たあとは、是非こちらのベスト盤を聴いて、知らない人は勿論、知ってる人も改めて、ビースティーズの素晴らしい音楽に触れて欲しいです。(このジャケ写の逸話も、ビースティ・ボーイズ・ストーリーにて語られています)
これ本当に、曲順が最高。
あと、YouTubeにある、1999年グラスゴーのライブも観て欲しいですね。
ビルボードチャート初登場No.1、5枚目のオリジナルアルバム「Hello Nasty」リリース時の大規模ツアー、メンバーも絶好調、客の盛り上がり方も物凄い。これMTVで放送された物のようで、何本もYouTubeに上がってますけど、どれも画質が悪い。オフィシャルでリリースして欲しいな。ラストナンバーは勿論「サボタージュ」。
それでは皆様、Stay Hip, Stay Cool, Stay Safeで。