東京さばい部

TOKYO SURVIVE 東京砂漠で生き残れ

ネトフリでテイラー・スウィフトの「ミス・アメリカーナ」を観ました。

 テイラー・スウィフトドキュメンタリー映画「ミス・アメリカーナ」を、遅ればせながらNETFLIXで観ました。

自分が認知していたテイラー・スウィフト像について

 まず、つい先日まで曲を全く知らなかったです。そして、歌っている姿で記憶にあるのは、何かのライブで、ヘッドセットマイクを付けてダンサーと踊りながら歌っている姿。彼女がいちおうカントリーミュージック畑の人だ、という認知はあったので、今はこういうのもカントリーミュージックなのかいな、と不思議に感じた程度でした。

 その認識がかなり大きく変化したのは、つい先日、YouTubeでこのライブ映像を観たときでした。

 NPR Musicというチャンネルの"Tiny Desk Concert"というシリーズ、小さな店内?でのライブなのですが、それが為に通常よりコンパクトな機材でシンプルなライブが行われるパターンが多いです。

 私がこのチャンネルを知ったのは、ここでのタイラー・ザ・クリエイターのライブを観たのがきっかけだったんですが、とにかくアットホームな雰囲気がよくて、その後も様々なアーティストのライブを観ていました。そこにテイラー・スウィフトが登場しました。

 ここで彼女は時にギター、時にピアノを弾きながら、完全にソロでのパフォーマンスを披露していて、ああ、この人はこんなきちんとしたパフォーマンスが出来る人なんだ、と正直驚いたのでした。

 そしてその後、この記事を読みまして、ついにこの映画を観ることに決めました。

 映画の詳細はこちらの記事に詳しいので、以下は私の感想のみに留めます。

一人のアーティストがまっとうな大人になる様

 16歳でデビューし、保守的なカントリーミュージック界でスターダムにのし上がり、しかしそれが為に様々な問題、例えばカニエ・ウェストとの一件(これも私、そういうことがあったのは知っていたのですが、詳細はこの映画で初めて知りまして、もともとカニエはそれほど好きでもないけど一気に嫌いになりました・・・最近、キリストの歌ばかり歌ってるのは懺悔してるんでしょうか)、そしてセクハラ訴訟の問題を経て、政治的な視線に目覚めるという、何だろう・・・これは一人の人間が、社会の未来に責任を持つ、まっとうな大人として成長していくドキュメンタリーですよね。真のサバイブ物語。サバイバー。

 私は、あまり周りの評価軸などには関心がないタイプで、自分自身が「これが正しい」と思えばそれをやってきたような人間でして、現在、ツイッターあたりでは政治的な事ばかり意見しているのですが、それはやはり、このコロナ禍で特に、ですけど「おかしいことはおかしいと言わないといかん」と感じてしまったから、なんですよね。

 そして今、そういう人は私だけではなくて、物凄く増えてきている。ここひと月のツイッターハッシュタグデモ的なものを見ても、それを強く感じます。

 有名人だから、政治の話題は退屈だから、そんな理由で言いたいことを言わないのはおかしいし、ひいてはおかしいと思いながら、それを言えば評価のマイナスになる、という理由で発言を控えるというのはつまり、権力に屈した、ということでしかないのですよね。まあこんな場末のブログで、これ以上書いても仕方ないのでこの辺にしときますが。

 この映画の最後、応援した民主党候補が敗れ、共和党の候補が当選してしまう。ニュースを聞いてテイラーは落ち込むものの、すぐさま若者に向けた曲を制作します。

 

若者だけが 若者だけが 若者だけが 走れるのよ

"Only the young / Taylor Swift"

 

 これは響いたなあ。私は全然若くないんだけど。真のアーティストの生き様を見た気がします。

 ※"Can run"は「実行できる」とも訳せるし、難しいけど敢えて「走れる」と訳しましたが、こういうとこも詩人のセンスあるなと。