サラリーマン30周年。
サラリーマン30年て、まだこの辺かね。どーなの。
エレカシも30周年、コレクターズも30周年、S&Bの本生シリーズも30周年、はーめでたいね、とか言いつつ、基本、人ごとであった。
が。自分自身、今年の終わりにはサラリーマン30周年であることに気づいてしまった。平成元年の1月、専門学校最後の冬休みもそこそこに会社に通い出して、もうそんなになるのだ。光陰矢の如し。
まあ転職は多かったので、勤続30年、とかではないが、自分が働き出した頃にはそんな呼び名はなかった「IT業界」で、30年生き延びた。野比のび太。という訳だ。
紙と鉛筆でコーディングの時代
働き出して10年くらいは、インターネットもない携帯もない、パソコンなんか持ってたら「家、金持ち?」って聞きたくなる時代だった。
プログラムを書くときは端末に向かっていたが、設計は紙と鉛筆でやる時代だった。コーディングシートもフローチャートも紙に鉛筆で書いてた。席で煙草ふかしながらプログラムを作ってた。レコード程も大きいのに、200MBかそこらの容量しかない磁気テープを、東京から名古屋まで新幹線で運んでった挙げ句、データの書き込みに失敗してて中身が空っぽだった、なんてこともあった。牧歌的。
時は流れて
マイクロソフトからWindowsがリリースされて。インターネットが現れて。普通の人もパソコン買うようになって。ケータイが普及して。ガラケーがスマホになって。電車の中で殆どの人が掌の中のスクリーンだけ見て過ごすようになって。
世の中の様相は物凄く変わったが、自分がやってる仕事は、本質的にあんまり変わってない。要件訊いて設計して実装して提供する、その繰り返し。とはいえハードウェアの進化は凄まじく、そこで使うソフトウェアも随分と変わった。ただ集計した結果をプリントアウトすればいい時代ではなくなって、色んな要求に応えなくてはならなくなった。それはそれで楽しかったが。
帰れない日々が減った
システムのメンテナンスやリリースというものは基本的に、それが使われていない時間帯に行われる事が多いので、どうしても休日出勤や夜間作業というものが発生する。そしてトラブルが起きれば使う人の業務が止まってしまうので、リカバリーするのに何日も徹夜になることもあった。自分は最高で10日間、一睡もせずに仕事した事があった。人間10日も寝ないでいると免疫力も何もかも低下する。その時も最後は、屋外の喫煙所のベンチで横になってて虫に刺されただけで、頭が1.2倍くらいに腫れ上がってしまった。休むわけにもいかず、しかしデコも瞼もパンパンに腫れ上がり恥ずかしいので、サングラスをかけて出社した。寺尾聰。
ここ2、3年くらいで随分変わったな、と感じるのは、そんな残業が減ったなあ、と。まあ元々がおかしいのだけど、ようやくそういった長時間労働が問題視される風潮になって、大手の会社であれば残業時間のチェックが入るようになった。
努力はしたけどだいたい「運」
大企業の社員というわけではないから、ここまでやってこれたのは、今の会社が小さいながらもきちんと成果を出してきたことに対する評価あってのことで、その中で自分自身も、そんな会社の社員として、辛うじて恥ずかしくない程度には、成果を上げて来られたからかな、と思う。
時にはリスクも取ってきた。凡そ身の丈に合わない規模、かつやったこともないような業務を「出来ますよ」なんて答えちゃってから、大手町のホスティングルームで「どうしたもんかね」なんて独り言言いながら、連日サーバーと向き合ってた事もあった。
なんで今までやってこれたのか。頑張ってきた自覚もあるけど、殆ど「運」なんじゃないかな、とこの頃は思う。
割り切り
自分はフリーのプログラマーとして食っていた時代もあったので、技術が全てだと思っていたし、技術がない人間は仕事なんか貰えない、と思っていた。
結婚を境に、その辺の考え方は物凄く変わった。結婚後パソコンが壊れてしまってから、自分のパソコンを買う余裕がなかったのもあるし、家にいてまでコンピュータを触っていたくなくなった。
その分、会社では頑張った。職場にいる間に、手元の道具だけで、きっちり成果を出す。ひとたび会社を出たら、会社の人たちと飲みに行って仕事の愚痴を吐くこともしない。会社以外の場所で仕事のことを考えるのは、せいぜい行きの電車だけ。その辺の割り切りによって、メリハリが出来たことは、自分にとっては結果的には良かったのだと思う。
が、この頃、会社の(比較的)若い奴らが色々学んでいるのがちょっと、懐かしかったり羨ましかったりしている。
最近たまたま縁あって、15年ぶりくらいに中古のパソコンを入手出来た。出来た、という言い方は変だが、テレビとパソコンはもう一生買うことがないと思っていたくらいなので、たまたまとしか言いようがない。今は離婚して時間もあるし、折角なので、自分の仕事では今のところ縁のない、モバイル向けの開発でも勉強してみようかな、という気持ちになっている。
若い技術者は往々にして最新のイケてる技術が実際の仕事の現場に採用されないことに不満を持つものだし、それはそれでよくわかるが、結局言語やテクノロジーは道具でしかない。客の困りごとについて問題解決できるのであれば、道具は関係ない。だから何かを学ぶとき、自分は単に引き出しを増やす気持ちで取り組んでいる。それがベストとは思わないが、それでやってこれたのだから、それはそれで一つの形ではあろうかと思う。
来年9月に特定派遣が廃止になる
そのことが、自分の仕事ぶりに影響があるのかないのかよくはわからない。まあ仮にあったとして、あんまり不安視はしてない。自分自身既にいい歳だが、自分より仕事の出来ない奴は腐るほどいる。仕事のやり方をわかっていて、問題解決できる技術さえあれば、食っていけなくなることはないだろう。まあその楽観的な性格故、30年もサラリーマンやってこられたんだな、とは思う。あとはとにかく、体だけは丈夫だったこと、かな。メンタルも体も、3回ずつくらい死んでてもおかしくなかったようにも思うし。
そんなわけで30年間、サラリーマンとしてサバイブした俺、お疲れさまなのである。
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自分の匂いは自分で選ぶ。
夏ですね。
朝晩満員の通勤電車に乗っていて、水牛の群れにでも囲まれたんじゃないか、と感じる日々が増えてきました。ええ、臭いの話です。
そんな敏感な私なので、実は香水に少々拘ってたりします。
きっかけは香り系柔軟剤(悪い意味で)
ダウニーとかの香り系柔軟剤って、いつ頃から流行り始めたのかな。一過性のものかと思ったら今や結構定番化している気がするのですけど、とにかく、それが出回り始めた頃、たまたま家族が買って、使っていた時代があって。
するとどうも、体が痒くなるんですよね。僕はフローラル系の匂いが基本的に苦手で、その製品の匂いにアレルギー反応を示してたのか、それとも製品に含まれる何かが合わなかったのか、それは結局わからなかったのだけど。
それをきっかけとして改めて考えたのは、シャンプーでもボディソープでも整髪料でも、ありとあらゆるものにいろんな香りがついていて、それらがごっちゃに混ざって、それが自分の匂いってことになっちゃうことに、釈然としないものを感じ始めちゃって。30代後半くらいだったのかな。
それからは、気に入った匂いを自分で選んで付けて、石鹸とか洗剤はなるべく無香料を選ぶ、というスタイルに落ち着きました。
他人の香水のレビューほど当てにならないものはない。
気に入った匂いを探す、というのは、殊の外難しくて、例えば人様のレビューを読んでから、実際にその香水を嗅いだときに、あまりに自分の印象が異なりすぎて、ふむ、香りに関する感性ってこんなに人によって千差万別なのか、と実感させられる事が多いです。
例えば今、僕が使っている香水ですが、複雑で静かな香りだなあと僕は思うのだけども、レビュー見ると「バスクリンの香り」って一蹴してる人もいる。そういう人にとっては、ベルガモットに何か加わった類の匂いは、全部バスクリンなのかな、と思わずにはいられないけど。
あと、若い人がよく「これは失敗。おっさんの床屋臭」ってレビューで言うんですが、僕なんかは床屋臭、嫌いじゃないんですよね。そもそも床屋が好きだし。蒸しタオルとか剃刀とか、変わらない昭和マナーな感じが。
僕の中で床屋っぽい香りと言えばドラッカーノワールとかオールドスパイスなんですけど、たまにすれ違った奴がオールドスパイスとか付けてると「やるなこいつ」とか思っちゃう。
だから結局は主観、自己満足、自分が気分よくいられる匂いを探して選ぶしかない。
最初はこれで学びました。
幾つかの香水を試した後に、とにかく種類が多すぎて、そもそもどんなものがよいのかもよくわからない。そこでまず、本でも読んでみるかと、国内ではそもそもそんなに数がない香水のレビュー本というものをあたってみました。もう随分前に出た本だけども、香水レビュー本には究極の一冊があります。
- 作者: ルカ・トゥリン&タニア・サンチェス,芳山むつみ
- 出版社/メーカー: 原書房
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1,437種類の香水を、ルカとタニアの二人が一つにつき数行のコメントで、ただ言いたい放題に批評してるだけの本なんだけど、批評の表現がとにかく面白い。酷評されてるものも沢山あるのだけど、あまりに酷い言われよう過ぎて、逆に嗅いでみたくなったり、割と読んでるだけでも楽しい本です。
洗剤は無香料、柔軟剤は使わない。
冒頭書いたとおり、いろんな匂いが混じるのが嫌なので、洗剤は無香料のものを使うようにしています。最近はこれ。
好んで香り系柔軟剤を使う人にとっても、洗剤の香りが柔軟剤の香りとぶつかっちゃうのを避けるために、洗剤の方を無香料にする人は昨今多いみたいですね。
値段は関係ない、と言えればいいのだけど。
高けりゃいい匂い、安けりゃ安っぽい匂いかと言えば、そんなこともなくて、安くても好きな香水も幾つかあります。ただ、眉間辺りにツーンとくるというか、頭が痛くなる匂いってあるんですよね。安い香水の場合、化学香料をふんだんに使ってる事が多くて、そのせいかな、と感じる事がたまにあります。
また、高い安いに関わらず、リピートして買ってみたら印象が全然違っちゃったりすることがよくあります。高いものの場合は、天然香料が入手困難になって、違うものに置き換えられたり、安いものの場合も生産地とかコストの問題か、何らかの理由でちょっと配合が変えられたり、と、ロングセラーの定番品でもそういうことはままあるようで。
そんなこんなで、もう一生これ一本でいいや、というものに出会えれば楽なんだけど、なかなかないです。
最後に好きな匂いと言うことで、ティエリーミュグレーのA*Men、という香水について書きたいのだけど。
これ、海外のユーザーレビューサイト、例えばbasenotesとか見ると、賛否両論、もの凄い数レビューされてて、何回も年間ベストに選ばれた香水です。
A*Men / Angel Men by Thierry Mugler (1996) — Basenotes.net
調香の構成を見ると、トップノート、つまり、付けてすぐ香ってくるのがベルガモット、ラベンダー、ペパーミント、トップノートが落ち着いてから香ってくるミドルノートがコーヒー、タール(炭)、パチュリ、で最後、長く残るラストノートがバニラ、キャラメル、チョコレート、ムスク、って事になってて、パッと見ただけだと「絶対おかしい」と思うんだけど(笑)このラストノートが、このリストからは想像がつかない不思議な匂いで。
なんか綿あめの向こうに漂う、墨汁みたいなインクみたいな、炭っぽい匂い、こんなよい匂いを他で嗅いだことがない。まあそれも、先のbasenotesとか見ても、人それぞれ感じ方は千差万別ですけども。
ただ自分が常用するとしたらば、特に夏場は、甘い綿あめっぽいところは要らないので、そのインクみたいなとこだけ似てる香水を探してるのですが・・・なかなか出会えんですね。
どんないい匂いも付けすぎたら台無し。
季節関係なく、ですけど、この季節は特に、どんないい匂いでも、付けすぎはホント全てが台無しなので気をつけましょう。強く出る匂い、逆に香りづらい匂い、色々あって適量もなかなか難しいんですけども、ね。
あと登山とかアウトドアの時もお勧めしないですよ。虫やら何やら寄せつけちゃうので。
それでは。
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ベースパスタ(完全食)で一日一食(第3回)
さあ週末がやってきたので、手持ちラスイチのベースパスタを頂きますよ。
これ、平日はなかなか出来ない企画なので、ね。
ソース何にしようか。
前回のすだち醤油が結構よかったんで、和で行こうか悩んだけども、最後はこれにしてみます。
レンジで生麺をいい感じに茹でる工夫をしてみる。
前回に引き続き、レンジでパスタなやつを使うのだけども、モノが乾麺用にチューニングされてる(と思う)ので、前回は茹で上がりの感覚がちょっと個人的に完成度低かったんですわ。
なので今回は水の量を二人前にしてみます。その場合は、レンジ時間は8分プラス茹で時間、ということになるので、10分でセット。
調理中。
試食。
茹で上がりは結構狙い通り、もちもち生パスタフィーリングに仕上がりました。見た目はなんだろ、豆乳和え蕎麦?ストレンジ。
ベースパスタをいろいろなソースで3回食べてみて、毎回感じる事がありまして、それは「毎回、味が濃く感じる」のですよね。今回も、美味しいんだけど、ちょっと塩っぱく感じてしまった。
個人的な体調とかも関係してる可能性があるのだけど、僕個人、日ごろ特に薄味嗜好というわけでもないし、これは、ソースの味がはっきり出やすい麺なのかな、と個人的には感じます。
薄めのそうめんつゆとか試してみてもよかったかな?この夏、気が向いたらまた、続きをやるかもしれません。
最後にもう一度。
ベースパスタは「一食分の必要な栄養素が入った完全食」ですよ。これで一日過ごせる非常食とは違いますからね!ご注意。っていうかそんな勘違いするあわてんぼさんは俺だけですよねそうですよね。
とはいえ商品コンセプト的には、健康食・非常食というより、もっと何というのかな、新しいライフスタイル的な、そういうとこを狙ってる感がありますね。
ま、そういう蘊蓄は抜きとしても、この麺の不思議な食感、割とクセになるかもです。お試しあれ。
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ベースパスタ(完全食)で一日一食(第2回)
ベースパスタは一日分ではなくて一食分だった
前回のエントリをFBにシェアしたら、友人から指摘を受けた。
「一日分じゃなくて一食分じゃないっすか?」
えーまじー。てことわー、これわー、一日三回食べるものですよ、って事ですか。
ホントだ書いてあった(笑)
というわけで冒頭に大きく訂正させてもらいました。ベースパスタは一食に必要な栄養素が入っている完全食。これを知った時点で、私のテンションはただ下がりですが、しゃあないので俺のコンセプトは曲げずに二日目行きます。
鍋を片すのは面倒くさい。
前回はちゃんと鍋にお湯を張って麺を茹でたのだけど、鍋、ザル、その他、独り暮らしの狭いキッチンではこれらの片付けが面倒くさい。それもこれも「これで一日賄えるなら」との想いからであったが、一食分じゃん!てことで(すみません単なる逆ギレです)ここはお気楽にレンジで茹でることにする。
一人前500ccの水を張り
袋の中で二つ折りになっている麺を伸ばしながら
全部入れたら蓋をして
タイマーは一人前の場合、茹で時間プラス5分。ということで、7分でセット。
茹で上がったら湯切り口からお湯を切ります。ラクチン。
本日のソースは和でいってみよう
昨日の試食で結構な小麦テイストを感じたので、うどん用のまぜつゆを試してみます。
やま磯さんのさるかに合戦もふりかけて彩りよく。
試食。
うん、すだち醤油も悪くないです。うどんフィーリングで行ったつもりが太い蕎麦テイストになったのは不思議だが。
でさ、冒頭書いたとおりこれが一食分てことでしょう。これ、Amazonで現在650円ですよ。てことは松乃家のロースかつ定食よりも吉野家の納豆黒カレーよりも高いんだよね。いや、比べる対象が間違ってるんだけどさ。
これを三食食べればまさに完全なわけですが、んー、んー、どうなんでしょう。
今日はこのあと夜勤なんだけど、はてさてお腹は持つのだろうか。ていうか食べたらいいじゃん、てことか。うぬぬぬぬ。
ベースパスタ(完全食)で一日一食(第1回)
※この記事では大嘘を書いてしまっていたので次のエントリで訂正させて頂きます。
皆さんはベースパスタというものをご存じだろうか。テレビや著名人のツイートなどで巷にはよく知られているらしい。
自分は何で知ったかというと、山で食べるフリーズドライ食や、保存食の類をAmazonで探しているときに、Amazonさんにオススメされたので、素直に乗っかってポチってみた。
完全食とはなんぞや
完全食のコンセプトは簡単に言うと「一食で一日に必要な栄養素を賄える」ということである。もう少し難しく言ってみても多分そういうことだ。必要十分。分かり易いコンセプト。袋の裏面を見るとこういうことである。
だがここで問題がひとつある。それはカロリーである。
ベースパスタ一食のカロリーは上記の表に在るとおり、384kcalである。
ネットで改めて調べると「一般的な成人の摂取カロリーの目安は、だいたい1800kcal~2200kcal前後」とある。そして往々にして、我々は日頃、必要なカロリー量を大幅に超えた食生活をしている。
どういうことかというと、例えば私の場合、まず朝は会社の最寄り駅に着くと、毎朝そこにあるパン屋でパン一つとエスプレッソのダブルを頂くというのが日課になっている。
そしてコンビニで朝おにぎり一つ買って、最近は昼食はそれのみとしている。
そして定時近くにはきっちりお腹が空くので、その辺でメロンパンなど頂く。パンというものは存外にカロリーが高いモノがあり、下手にチョコデニッシュドーナツなどというモノを手にしてしまうと、カツ丼かよ、ってなくらい高カロリーなので危険である。
そんな危険を回避しつつも、仕事を終えて一時間半の通勤コースの後にはぐったりと疲労困憊し、お腹が空いても遅い時間なのでそこは軽く抑えるべきところを「今日も一日ごくろうさま」などと自分に労いの声をかけ、完全に甘やかしモードに突入し、酒を食らう、肉を食らう、脂っこいものを食らう、なんならデザートも頂く、みたいなことになってしまうと、結局一日3,000kcal近くは摂ってしまうことになりかねないのだ。
そのノリでベースパスタを食べると、これは栄養を摂り過ぎる、ということになり、それは「あーあ」って感じに思えてしまうのである。
であればここは、必要な栄養素は一食で補えてるのだから、ということで、ベースパスタ一食で過ごすのが正しい中年男性の在り方と思えるのである(多分間違いです)。というわけでそれを実績してみたい。
今回は普通にパスタソースで。
Amazonの評価を見ると「パスタとは名打たれているが食感は蕎麦に近い」などと言う者もいるので、とりあえず手元には三食分のベースパスタがあり、三回食べるうちには色々なソースを試してみたいが、まずは王道のパスタソースで行こうと思う。パスタだし。つうわけで今回はこちら。
トップバリュ。いいね。安いね。
茹で時間は2分
普段、乾麺のパスタを茹でる時には、鍋出すのが面倒いのと時間の短縮のため、レンジで短時間で茹で上がるやつを使っているのだが、生麺なのでここはたっぷりのお湯で茹でたい。だがベースパスタの茹で時間は2分と、これまた短いのである。2分の茹で時間のために鍋を出し10分近く沸騰まで待って、挙げ句最後は鍋を片さないといけない。ちょっとここにアンバランスさというか、スローなのかファストなのかどっちなんだよ君は、と、違和感を感じるのは私だけでせうか。まあよい。茹でる。すげえ腹減ったし。
グラグラ
ザーッ
タバアッ
へいおまち。
試食。
まず麺の見た目は上の写真の通りの蕎麦フィーリングである。だが食感はかなりモチモチ。チアシードのブチプチ感もあり、そしてなにより小麦の風味が結構ある。昔、パスタの製麺機を持っていたことがあるが、それで作った麺に似た感触もある。麺としてはかなりイケてるように思います。ボロネーゼソースだとソースが強すぎたかな。
というわけで味は問題なし、栄養もバッチリキマったところで、お腹はどうなのかというと・・・・食べ足りないな(笑)
ひとまず今回は終わりにしますよ。おやつ食べたい(笑)
「いまモリッシーを聴くということ」を読みました。
前回のエントリでオノヨーコの事を書いた。オノヨーコにシンパシーを感じてしまう理由を、エントリをアップしてから暫く考えていたのだが、僕は周りに叩かれようが何だろうが自分を曲げないという、その精神にこそサバイブ魂を感じずにいられないのかな、てなことを思いました。
同じように、知名度と比例して、賞賛と同じくらい物凄く叩かれる人たち、として思い浮かべるのは、これまた前回のエントリでも触れたボーイ・ジョージ、既に鬼籍の人ではあるがマイケル・ジャクソン、そして元ザ・スミスのフロントマンで、解散後30年近くソロでやっている、モリッシーの名前が浮かぶ。
モリッシーを知らない人にどういう人なのか説明するのはちょっと難しいが、ものすごくざっくりと言ってしまうと「ネットが普及する前から炎上マーケティングのプロだった人」みたいな感じ、なのかな。
そんなモリッシーに関する本が2017年の春、突然書店に並び始めた。
いまモリッシーを聴くということ (ele-king books)
- 作者: ブレイディみかこ
- 出版社/メーカー: Pヴァイン
- 発売日: 2017/04/28
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僕自身、高校時代はリアルタイムでザ・スミスのファンだったのだが(ザ・スミスは1987年に解散)ソロになってからのモリッシーは殆ど聴いていなかった。何でかと言えばモリッシーの書く歌詞とギタリストのジョニー・マーの作り出す音楽の組合せは、あの時代において全く奇跡と言って良い、唯一無二のものだと感じていたから。
だが今、こんな本が書店に並ぶこと自体がとても気になり、書店で立ち読みを繰り返していたのだが、最終的には購入してしまう事となった。
モリッシー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡
著者自身が前書きで触れている通り、この本はモリッシーのディスクガイドの体を取ってはいるが、内容としては80年代以前から現在に至る、主に北部を中心としたイギリス史だと言える。
我々日本人にはなかなか理解が難しい、イギリスの階級問題と音楽の関係性、パンクやスカと極右団体の関係性(シャム69やザ・セレクターあたりのエピソードが出てくる)、また、我々日本人にはせいぜいモッズのファッションアイテムのひとつでしかないフレッドペリーが英国ワーキングクラスの人々に意味するもの、そういった、ブリティッシュ文化に関心のあるものならば知っておかなくてはならないエピソードが沢山載っている。
この本には出てこないが、これを読むと60年代のバンド、例えばザ・フーがユニオンジャックの服をポップアートとして着たこと、キンクスが「アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡」みたいなアルバムを作った事などが、また違った意味を持って見えてくる。
そしてモリッシーである。そうやって移ろい行く世の中で30年もの間、ずっと自身に忠実に、筋の通った創作活動を続けて来たことがよくわかる。そしてこれも日本人からはとてもわかりづらいのだが、彼の書く詩が英国人にとっては、独特のユーモアを含んだものとして支持されている様が、よくわかる本だ。久しぶりに良書に出会えた。感謝。
読了後、YouTubeでソロになってからの曲を色々聴いてみた。だがやはり、ザ・スミスのギタリスト兼作曲家であった、ギタリストのジョニー・マー以上のパートナーには出会えなかったようである。今は二人ともソロのアーティストとして活動しているのであるが、両者とも頻繁にザ・スミス時代の曲を演奏している。双方に違った良さがあるために、この二人が解散しないでずっとやっていたらどうなっていたのだろうかと、ただただ残念な気持ちはある。ロックの歴史における悲劇の影には、常に女ありなのである。エアロスミスしかり、チープトリックしかり。女は責めない。惚れたジョニーが悪い。知らんけど。
また前回と同じようなオチになってしまうが、モリッシーもまた今は癌と闘病中のようである。なんとか健康で、アーティスト人生を全うして欲しいと願う。
ワールド・ピース・イズ・ノン・オブ・ユア・ビジネス~世界平和など貴様の知ったことじゃない
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- 発売日: 2014/07/16
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今一番シンパシーを感じる人はオノヨーコ
最近、オノヨーコという人物にとてもシンパシーを感じる。
気になったきっかけは、数年前に出た元カルチャー・クラブのボーイ・ジョージのソロアルバムで、彼がオノヨーコのカバー曲「Death of Samantha」を取り上げていて、その歌詞を読んでからだと思う。
- アーティスト: ボーイ・ジョージ
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- 発売日: 2014/03/26
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僕はオノヨーコほど、世界中で嫌われている人間はちょっといないと思う。
オノヨーコがどれくらい嫌われているのか
YouTubeに、とある動画(音声のみ)がある。敢えてリンクは貼らない。それは後期ビートルズのスタジオレコーディングの様子を録音した、恐らくは海賊盤で出回っているものから編集されたと思われるが、約20分にわたってヨーコが、当時ラブラブであったジョンの名前を呼び(叫び)続ける様子が伺える。
この当時ビートルズは、既にコンサート活動をやめており、その活動をレコーディングのみにすると宣言した後であった。つまりこの頃彼らは毎日スタジオに入り浸りになっていたのであり、そこで朝から晩まで過ごすのは、サラリーマンが会社に通うが如く、日課のようなものになっていたと思う。
それを思えば、そのうちのほんの20〜30分、もしくは一日中であったとしても、こんなお遊びのような時間があったとて、さほど不思議ではない。時代も時代なので、もしかしたら何かでハイになっていたのかも知れない。
その間バックで聞こえるピアノの「マーサ・マイ・ディア」、これはポールの曲で、繰り返しそれを弾き続ける様はまさにその作曲中だったのであろうが、そのタッチは時折叩きつけるようなトーンになり、イライラしていたように聞こえないこともない。
とはいえ、この頃は、ポールの奥さんのリンダやジョージの彼女らもスタジオに出入りしていたようであるし、何よりヨーコがいなくとも、メンバーは既に親のような存在であったブライアン・エプスタインの死をきっかけに、バラバラになりつつあった時代である。
だがしかし、さらにその後の時代、まさに解散間際の日々を記録した映画「レット・イット・ビー」で見られる、4人の真剣な演奏中にもジョンの隣にぴったり寄り添って座るヨーコのイメージは強く、がために、その後のビートルズの解散はヨーコのせいだと信じている人は沢山いる。そして解散後、ジョンが凶弾に倒れたことですら「ヨーコと一緒になったせい」と思っている人すらいる。先の動画のコメント欄も、8割方はそういう人たちのコメントだ。「暗殺者は殺す相手を間違った」とまで書いている人もいた。有名人相手なら何を言ってもいいわけではない、というモラルは、ネット上では世界規模で崩壊しているようだ。
先日図書館で、そんなオノヨーコの著書を読んだ。静かで強靱なポジティブネスに満ちた本だった。
何より凄いと感じたのは、最愛の旦那は殺され、ビートルズやその後のジョンのソロキャリアに至るまで、その関わりを悪し様に言われ、言わば「全力の悪意に満ちた世界」に生きざるを得ない彼女の一体どこから、これほどのポジティブネスが生まれるのか、ということである。
勿論関わった相手は、他の誰でもない「ジョン・レノン」である。二人とも強烈な才気に溢れた人だから、出会った事は必然とも言える。だが、これだけ人がいる世の中で、二人の出会いは宝くじ並みの確率だったと思うのである。それに出会えたという事実が、ジョンが死しても尚、彼女を支えたのは間違いないだろう。
だとしても、人というのはそれほど強い生き物ではない。支えてくれる人があったとして、毎日のように、会ったこともない人間から(直接でないにしろ)罵詈雑言を受け続けて、平気でいられる人はいないと思う。
本の中で非常に印象的だったエピソード
あることで彼女のことを酷評したメディアの人間がいたらしいのだが、彼女は毎日、彼らに対して「Bless you 誰それ」と、ひとりひとり名前入りで、祝福を続けたらしい。それを続けることでやがて、彼らよりも精神的優位に立てた気持ちになり、乗り越えることが出来たと言うのだ。不思議とそのうち、周りの反応もだんだん変わり、批判も少数になったらしい。
ある批判に反応する際に、私は傷ついた、と、感情的・攻撃的に反応する事は出来る。それは、もともとその人を擁護する立場の人からの同情は得られるかも知れない。だが中立的な第三者の共感を得られる保証はない。むしろ感情的に反応する様を、事実を指摘されてムキにならざるを得ないのではないか、と思われるかも知れない。しかも最初は味方をしていた人ですら、ずっと味方でいることは難しい。何故なら怒りに付き合い続けるのは、何より気を遣うし、疲れるのだ。
だからそれに冷静に対処することによって、理解者を増やす方が、よっぽどいい。しかしそれは、言うは易し、というやつで、わかってはいてもなかなか出来ることではない。
それをやってのけたオノヨーコに感じるのは、したたかさ、などではなく、そうやってなんとか必死に状況を乗り越えてきたのだろう、という健気さ。僕はそんなことを強く感じてしまう。
そんなオノヨーコも84歳
先月あたりのニュースで、今は車いす生活だという記事を見た。彼女のような人生を歩んだ人はそうそういない。数奇な人生、と言うしかないだろう。出来れば晩年は、もっと沢山の人に祝福されて欲しいと、正直思う。
ちなみに冒頭紹介したボーイ・ジョージのアルバムで、「Bigger Than War」という曲中の歌詞にも、ヨーコの事が歌われている。ボーイ・ジョージはヨーコの事をビートルズやエルビスと同等、もしくはそれ以上に位置づけているかのようだ。このアルバムもまたオススメである。
Bigger than The Beatles, The Rolling Stones, bigger than Elvis, but not YOKO
Bigger than you, Bigger than me, Love is bigger than War.