東京さばい部

TOKYO SURVIVE 東京砂漠で生き残れ

愛しのクロワッサン

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うまいクロワッサンを探している。

なんて書き出しておいて何だが、正確に言うと探してはない。思いがけない出会いを待っている。だからネットのオススメ記事を探したり、人にオススメを聞いて回ったりはしない。例えばそれが銀座にあると言われて、行ってみて、評判通り美味しかったとして、それがどうだと言うのか。

そうではないのだ。ただただ、自分が向かった先々のパン屋で、クロワッサンがあれば買う。それだけである。探しには行かない。出会いたいのである。出会い頭の恋に落ちたいのである。理想のクロワッサンに出会えれば、それはすぐに、直感でわかるのである。


さて、個人的にクロワッサンには若干拘り、というか好みがある。私見であるが、クロワッサンは「バターが全て」だと思う。なので「高けりゃ美味い」となりそうなもんだが、全くそうでないので、困る。

例えば、神戸屋なんかは結構(神戸屋は全般的にそうだが)いいお値段してる。だがクロワッサンについては、全く大したことない。バタールはイケてると思うんだけど、ね。

そんなわけで、神戸屋のクロワッサンを食べた日などは、「モノの値段」っていったい何なんだろう、と経済について思いを巡らせてしまうこともしばしばなのだが、そういう事を考えるのは体に毒なので、すぐやめる。


閑話休題。近所のご贔屓のパン屋のクロワッサン、これは神戸屋より安いのだが、バターの風味がよく、なかなか美味である。

しかしなんといっても、今のところの私の一番は、殆ど毎朝、出社前に寄っている豊洲のパン屋のクロワッサンである。

表面はカリカリ、齧り付くと、中から芳醇なバターの香りがジュワッとくる。忙しい朝のひと時、一瞬ではあるが幸せになれる。気がする。今日も一日乗り切ろう、そんな風に、2分くらいは思える。気がする。人によっては「油っこ過ぎる」と思われるかもしれない。しかし3つも4つも食べるもんではないから、これでいいのである。特別な存在なのである。「愛してるというより気にってる(ザ・コレクターズ)」なのである。

その店にはかれこれ、もう7年くらい通ってるのに、クロワッサン食べたのは先月が初めてだったんだけど、それもまたよし。ステキなパンはさり気なく、近くにいても気づかないものなのだ。

 

この文章が、何かを暗示してるように感じた人は恐らく考えすぎである。黙ってクロワッサン食え、つう感じ。


というわけで、冒頭の写真はまるで朝食のような今日の夕食、神戸屋のクロワッサンです。見た目が素敵だからまた困る。騙されないぜ。まあ言うほど悪くはなかったんですけど、ね。

 

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こちらお気に入りのクロワッサンでございます。ここのパンは調理パンも凝ったものが多くて美味しい。

 

そばいちに対する、私の複雑な想い。それについての考察。

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4年前の6月15日。私は「そばいち」に、恋に落ちた。

そばいちはJR東日本駅ナカで店舗展開している立ち食いそばのチェーン店である。当初は3店舗くらいしかなかったが、今調べてみたら9店舗くらいに増えているみたいだ。

JR東日本駅ナカで展開している立ち食いそばチェーン店は他にもあって、例えば「いろり庵きらく」なんてチェーン店もよく、見かける。ただ内装そしてメニューについて、そばいちは特色がある。内装は女性にも受けそうな小綺麗な感じだし(実際女性のひとり客も多いと思う)、そばも平成以降、手打ちそばブームあたりから増えた新規の単独店風な、立ち食いそば屋にしては上等な味がする。

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レジ前のトレイには作り置きの揚げ物が置かれている。だが何故か、かき揚げを頼んだ際に、ここに置かれたものが使われるのは過去一度しか見た事が無い。だいたいは注文してからの揚げたてを載せてくれる。よほど混み合ったときのスペアなのか。謎である。

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私が愛聴するザ・コレクターズポッドキャスト「池袋交差点24時」で、古市コータロー氏が推している立ち食いそば屋がある。曰く「昭和46年と変わらない味がする」「今、都内で唯一つゆを飲み干す店。唇が離れてくれないんだもん」。こういう路線を求める向きには、そばいちは全く向かない。完全なる平成っ子である。が、恋に落ちてしまった私は、今やそばは、そばいち以外では殆ど食べない。

 

思えば出会いが強烈であった。初めて店を訪れた2014年の6月15日。そばいちでは1年を通してだいたい季節ごとの限定メニューがある。初めての出会いで食べたのは、当時の限定メニューの「豚肉つけそば」であった。

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見た目は単なる肉そばである。しかしそばをつゆに浸し口にしたとき、私は一瞬何が起きたのかわからなかった。

「こ、これは?」

隠し味が何なのかわからず、後日友人の宮氏におすすめ&チェックを依頼した。結果「胡椒ですね」の報告を受け、腑に落ちた。強烈なヌーベルバーグを感じた私は足繁く、通った。そして季節は過ぎ去り、限定メニューは変わった。しかし豚肉つけそばを超える限定メニューは今日に至るまで、無い。

あまりの美味しさに、私は運営会社のホームページを辿り、お客様窓口的なものが無いにも関わらず、会社のメールアドレスを調べ、「豚肉つけそば美味しかったので、またいつか復活してください」とラブコールを送ったが、完全スルーされて、今に至る。

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ただ限定メニュー以外の定番品も美味しかった。特に自分が通う店舗の、オープン当初にいた店員ふたり、彼らの茹でたもりそばたるや、絶品中の絶品であった。

そんな彼らも今はもういない。今のバイトさんの作るもりそばは、残念だがあれを超えるものではない。茹で時間なのか、茹でた後の締め方なのか。違いは説明できないが、明らかに違うのだ。

 

そんなわけで、そばいちと私の関係はさながら、倦怠期の夫婦のようである。私は最初期の思い出が忘れられず、折に触れてそばいちを食べる。だがあの鮮烈な気持ちを再び味わうことは、ない。

 

人は何故恋に落ちるのだろう。これだけ生きてきても、未だその答えは得られない。

クラスで一番の美女に、誰しも恋をするわけではない。そばいちは確かにどちらか言えば美人タイプ、掃き溜めの鶴である。一方実生活において、私はすごい美人に恋をするタイプか、というと、どちらか言うと違う、と自己認識している。と言ってふと思い出したのは、小4の時に恋した森川さんのことである。当時札幌に住んでいた私は、メガネっ子、という言葉すらなかった時代に、メガネっ子の森川さんに恋をした。しかし森川さんは程なく、東京に引っ越してしまった。それから1年後くらいに、東京からハガキを貰った。手書きの文字とイラストは、すっかり東京で都会っ子になってしまったような雰囲気で、私は気後れしたのか何なのか、返事も出さず、それっきりであった。

まあとにかく、恋に落ちる理由はわからない。恋が醒める理由も、わからない。ただ私は、未だにそばいちに恋をしていて、一途にその想いを確かめに、通い続けるだけなのである。

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メニュー情報|そばいち|飲食店|NRE 株式会社日本レストランエンタプライズ

ザ・コレクターズのポッドキャスト「池袋交差点24時」アーカイブ

蕎麦屋の話はシーズン7「#72 いもやでデートの巻」

 

イカ墨と漁師のはなし

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どうもお久しぶりです。

この頃はインスタで、誰も読まないような長文を書くのがマイブーム(死語)だったんだけども、フォロワーも少なくあまりに誰も読まなくて勿体ないし、何よりこのブログ、「サバイブ」をブログ名に名乗っているくせに更新しないと「嗚呼ついに死んだな、サバイブ出来なかったんだな」と思われるのが癪なので、インスタに載せてた長文を改めてここに更新するのである。

今日は、幾多の先駆者、挑戦者があってこそ、今の我々の食生活があるよね、みたいな話。

 

自分の父親の出身は、北海道の岩内という町で、港町なので近親者には船乗りが多かった。小さいときから親戚のような関係であったまこちゃん(親戚じゃないんだけど、昭和っていうのはそういう謎の関係が沢山あったわな)も、後年船乗りになったが、生の魚は絶対食べないと言っていた。一番イキのいい魚が食べられる最高のポジション、と人は思うに違いないが、何ゆえに食べなかったのか。

船に乗り、魚を獲る。獲れたての魚を捌いて、船上で食らう。魚は超新鮮でイキがいいのは勿論だが、その魚の身に潜む寄生虫のイキの良さも半端なく、それにあたった同僚が、陸にも戻れぬ船の中で何日間も断末魔の思いをする様を見て、食べられなくなったとのことだった。何事も経験してみないとわからんもんである。

 

さて私は、イカ墨のパスタが大好物である。と思いたい。思いたい、などと歯切れが悪いのは、イカ墨のパスタを食べたことがあるのは、茹でた麺に和えるインスタントのやつと、あとはせいぜいサイゼリヤでしか食べたことがなく、それではまるで、サッポロ一番しか食べたことがない外国人が「ワタシニッポンノラーメンダイコウブツデスネ?」と言っているのと変わらん気がするからであり、イタリア人から見たら笑止千万に違いないからである。しかしイカは悪魔の食べ物という国もあると聞くし、イタリア人がイカを食べるのかすら知らない。知らないことだらけである。ともあれ、イカ墨のパスタと白ワイン、つうのは、トマトソースと赤ワインに勝るとも劣らない、最強コンビですよね。

 

しかし冒頭の話ではないが、イカを初めて食べた人間も凄いと思うし、イカ墨を食べようなんて思った奴もまた凄い。絶対に罰ゲームだったと思う。割と命懸けの。もしくは、イカを丸ごとガシガシ勢いで食べてたら墨袋を口にしてしまい、口真っ黒になりながら「あわわわわ」とか呻きながら「大丈夫だおれまだ生きてる。しかもナニコレ旨い」ってなったに違いない。全く人間の探求心というのは恐るべしである。

 

カゴメ アンナマンマ イカスミソース 240g

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サロモン OUTpathは山でも街でもおすすめの一足。

何でかサロモン一択だった。

山登り始めるのに靴を買おうと思い立って、最初に買ったのはサロモンのSpeedCross3っていう、トレラン(トレイルランニング)シューズでした。

 

今となっては、なぜそれを最初の一足としたのか、記憶が定かでないのですが、多分知り合いのうっちーに、昔初めて高尾山に連れられて行った際、彼がモントレイルか何かのトレランシューズ履いてて、あ、こんなローカットのスニーカーみたいのでいいんだ、と知ったからなのかな?で、Amazonでトレランシューズ見てたら、サロモンのが安くて人気があるように見えたので、みたいなことだったような。

でもその直感は大正解で、殆ど不満もなく2年ほど履いたわけです。山はだいたい日帰りでザックも10リットルのトレラン用に入るモノしか持たなかったので、ハイカットのブーツとか履く必要もなく、軽快この上ない。しかしこの頃は、結構底が減ってしまって滑るようになってきまして。

 

OUTpathに一目惚れ

で、先日、新しいのを買おうと思い立ち、サロモンのシューズをチェックした際に見つけたのがこちら。

 

 

いちおうこれを見つける前に、次買うならこれかなー、と目星をつけてたのはこっちでした。

 

サロモンのこの辺の山用ローカットシューズはだいたい、基本的な造りは一緒なんです。大きく異なるのはソール。

トレラン用はアップダウンのある山を「走る」ことを想定しているので、クッション製が少し高めにチューニングされてる。要はソールが少し柔らかいのです。多分それとのトレードオフで、トレラン用のソールは減りが早いのではないかな、と個人的に分析してみたり。

対してXA PROは登山用、OUTpathはハイキング用、みたいな位置づけのようです。

 

2年前にシューズを選んだときにはXA PROやSpeedCrossの、決して普段選ばないようなスポーティなデザインも個人的に新鮮でよかったのですが、OUTpath見ちゃったらもうとにかく、色が気に入っちゃって。

 

ショップで試し履き

OUTpathは、甲が低めという話をネットのレビューで見かけたので、これは試し履きしなくては危険、と、サロモンのショップに行って、上の2つを履き比べてみました。もともと履いていたSpeedCrossと合わせて3種類、ソールの柔らかさを私的に比較してみるとやはり、XA PRO < OUTpath < SpeedCrossの順。XA PROは特に、接地面もしっかりしていて、減りが遅そうだなあと感じました。私見ですけど。

言われていた甲の高さについては、もともとSpeedCrossからして普段のサイズより少し大きめを履いていたので、それと同じサイズで大丈夫でした。普段履きのサイズだと確かに入らないですね。

 

そしてサロモンのシューズを一度履くとやめられないのはクイックレース。靴紐代わりのレースをキュッと引っ張って止め、靴のベロにしまう方式。これがホント手軽で、フィット感も高くてよいです。

 

実際履いてみて。

で先日、実際OUTpath履いて、高水三山に行ってきました。途中凍ってる道もありましたが、割としっかりグリップしてくれて安心して歩けました。ただ、やはり、より疲れない、ということでは、衝撃吸収性に優れたSpeedCrossに軍配があがるかなー。まだ履き始めだから何とも言えませんが。

とはいえOUTpathは今、世界で一番格好良い靴だと思うので(私見です)山は勿論、普段も履きたいと思ってます。 

 

 

 



2017秋冬のコロンビアは今までとはなんか違う気がした話。

お久しぶりです。

さて。コロンビアというアウトドアブランドがございます。

自分におけるコロンビアの評価は「おっさんくさい(いやおっさんに言われたくないと思うけどさ)」「ヘタしたらモンベルよりダサい」「だいたい安い」とまあ、こんな感じで、アウトドアショップに行ってもほぼ、売り場スルーしてたんですよ。

ところが先日、いい感じのレインジャケット探してるときにこの秋冬の新製品群が目に入りまして、あれ。なんか垢抜けてね?と。

たまたま自分の感覚か世の中的にかはわからないけども、ちょっとレトロな感じがいいなあという感覚に、しっくりくる感じのものが多い。

実際、リアル店舗に行って製品見てビックリしたし、秋冬のカタログもらって眺めると、とにかく、いい感じ。

コロンビア ホワイトストーンポイントパンツ 464/CollegiateNavyDenim PM4379

DOCTOR DENIM HONZAWAこと本澤祐治氏とのコラボ、COLUMBIA BLUE PROJECTをはじめ、他の製品もいい感じにカジュアルなアウトドアテイストにまとまってる。

Columbia(コロンビア) JOSEPH STREAM PANT PM4381 464 M-R

上のパンツなんかはポリエステルとコットンの混紡で、グラミチみたいに股下がガゼットクロッチなんだけど、履いたときのラインが、オンライストアの商品ページで見れるのだけども、なかなか格好良い。

(コロンビア) Columbia スピンリール ブーツ アドバンス ウォータープルーフ オムニヒート 7(25.0cm) 429.ColumbiaNavy YU3892

他のブランドがとにかく機能、機能で攻めてくる中、値段と機能とファッション製のバランスがよくて、素晴らしいと思います。

コロンビア ワバシュパターンドジャケット 429/ColumbiaNavyPatchwork PM5989 XL

例えばコロンビアのレインジャケットは「ゴアテックス」じゃなくて「オムニテック」という生地を採用してるのですけど、ゴアのジャケットより1万円近くお安いのですよね。勿論、値段なりの性能の違いはあるのかも知れないけど、こちとら3,000m級の山に登るわけでもないわけで。

勿論、山ではいつどんな天候にあたるかわからないのは、僕も北海道の樽前山に行った際に、途中で物凄い豪雨にやられて、手持ちのユニクロのポケッタブルパーカーは「撥水」という言葉を口にし終わる間もなく一瞬で浸水、どえらい目に遭った経験もありますし、適材適所ではあります。何でもいいわけではない。ただ街で着ることを考えたら、ゴアとかオーバースペック過ぎる。コスパ悪い。個人的にゴアで手を出せる値段なのはモンベルのストームクルーザーくらいですし。

コロンビア CSCオリジナルズプリンテッドフリース 435/MysteryDeepRust AE1176 L

Columbia コロンビア ノーウェスターアノラック M シャパラール/フォッシル

外国人って、ハイキングのときとか、すげえ適当な格好してるじゃないですか。ネルシャツにチノパンとか。あのフィーリングが好きなのですよ、自分。でも、休日山に行くと、低山でもなんか物凄いスポーティだしブルジョワチックだしで、ちょい好みでないのですよね。

なんだけども、はじめて山に登ったとき、僕は真夏にフツーのジーンズで登ったのだけど、あれはホントに気持ち悪い。何でもいいわけではないんですよね。

コロンビア ロマビスタジャケット 264/Maple PM3177 S

ちょっとそのあたり、最低限のスペックをクリアしつつ、いい感じにカジュアルっていう、コロンビアがなんかそういう素敵な感じになってる気がします。個人的な感覚ですけど20年くらい前のパタゴニアにあった(そして今はなくなった)フィーリングっぽい気がします。

僕みたいに「おっさんくさいブランド」ってまだ思ってる人がいたら、是非再チェックをば。

Columbia コロンビア アーチャーリッジジャケット メンズ M カレッジエイトネイビー

コロンビア カタバリフレクタージャケット 010/Black PM3182 XXL

コロンビアスポーツウェア 公式サイト - Columbia Sportswear

夏はサコッシュがとても便利。

自分がサコッシュを知ったのは、山登りグッズとして、でした。去年ちょうど山登りを始めた頃に、雑誌「山と渓谷」の付録にサコッシュがついてきまして、それで。

 

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紐の長さ調整ができるようにカスタマイズして使ってます。

サコッシュ。名前がいいよね。気の抜けたスカッシュみたいな。レモンサコッシュ

もとはフランス生まれで、自転車ロードレース用に作られたものらしいのですけどね。登山グッズと自転車グッズって、ウェアとか特に、要求されるスペックが近いので、割と共通点が多い気がします。

 

サコッシュは夏の追加ポケット

皆さんは例えば、ちょいと駅前まで買い物に出掛ける、っていう時に、何を持って行きますか。

まず今どき、スマホは欠かせないですよね。行ってすぐ帰るならともかく、もしかしたらあちこち見て回るかも、と考えたら、スマホの充電ケーブル、もしくは小さいモバイルバッテリーも持っていきたいところですよね。

そして勿論お財布。音楽が好きな人ならイヤホンも持つでしょう。大人ならハンカチも持って歩きたい。それに加えて僕の場合、老眼鏡と、あとホント恥ずかしいのですけど、イマドキまだ喫煙者なので、煙草とライター、携帯灰皿も持ち歩きます。

どれもそれほど大きなものではないので、秋冬であればコートのポケットに全部放り込んで出かけることもできるのですが、問題は夏。

特に昨今のクソ暑い夏、僕も休日はほとんどTシャツに短パンにサンダルという出で立ちなので、ポケットが殆どない。

そこでサコッシュの出番となるわけです。

 

カバンじゃだめなの?

ショルダーバッグとかリュックとかウェストポーチとか、代替になるものはそりゃ勿論山のようにあるんですが、サコッシュって基本ペラペラなんですよね。なんかそのペラペラ感が、お気楽で、大げさな感じがしなくて、夏場の薄着にフィットする感じとか、まさに「追加ポケット」な感じでいいんですよね。 

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サコッシュの基本形は上の写真のように、ただのナイロン袋の2/3位の位置に紐がついていて、紐より上が折り返して蓋状になっているだけ。僕のやつは手前にメッシュポケットがついていて、すぐ出したいものはこっちに入れられる。もし、ちょっと大きいものを入れる場合も、袋を折り返さない状態にすれば入れられる。結構万能です。バッグいろいろ持ってるんですけど、夏場は気づくとだいたいサコッシュにポンポン物を放り込んで出かけてます。

 

結構種類がある

あんまり便利なので、さらにもっと便利なやつはあるのかと、先日、山グッズのお店に行ってチェックしたら、結構種類があるんですよね。ガチの山ブランドの製品なら、強度の強いナイロンを使用していたり、それでいて値段も馬鹿高くはない(山ブランドものはモノ良い分、高いですからね)。

個人的には、ジッパーがついたりすると気持ちオーパースペック、に感じるのですけど、まあ人によってはジッパーくらいついてて欲しいかも知れないし、いろいろあるのはいいことです。

とはいえ、基本構造はホント単純なので、自分で作ったりするのもアリかも知れないですね。とにかくひとつ持ってると便利だと思います。オススメ。

 

 

サラリーマン30周年。

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 サラリーマン30年て、まだこの辺かね。どーなの。

 

エレカシも30周年、コレクターズも30周年、S&Bの本生シリーズも30周年、はーめでたいね、とか言いつつ、基本、人ごとであった。

 

が。自分自身、今年の終わりにはサラリーマン30周年であることに気づいてしまった。平成元年の1月、専門学校最後の冬休みもそこそこに会社に通い出して、もうそんなになるのだ。光陰矢の如し。

まあ転職は多かったので、勤続30年、とかではないが、自分が働き出した頃にはそんな呼び名はなかった「IT業界」で、30年生き延びた。野比のび太。という訳だ。

 

紙と鉛筆でコーディングの時代

働き出して10年くらいは、インターネットもない携帯もない、パソコンなんか持ってたら「家、金持ち?」って聞きたくなる時代だった。

プログラムを書くときは端末に向かっていたが、設計は紙と鉛筆でやる時代だった。コーディングシートもフローチャートも紙に鉛筆で書いてた。席で煙草ふかしながらプログラムを作ってた。レコード程も大きいのに、200MBかそこらの容量しかない磁気テープを、東京から名古屋まで新幹線で運んでった挙げ句、データの書き込みに失敗してて中身が空っぽだった、なんてこともあった。牧歌的。

 

時は流れて

マイクロソフトからWindowsがリリースされて。インターネットが現れて。普通の人もパソコン買うようになって。ケータイが普及して。ガラケースマホになって。電車の中で殆どの人が掌の中のスクリーンだけ見て過ごすようになって。

 

世の中の様相は物凄く変わったが、自分がやってる仕事は、本質的にあんまり変わってない。要件訊いて設計して実装して提供する、その繰り返し。とはいえハードウェアの進化は凄まじく、そこで使うソフトウェアも随分と変わった。ただ集計した結果をプリントアウトすればいい時代ではなくなって、色んな要求に応えなくてはならなくなった。それはそれで楽しかったが。

 

帰れない日々が減った

システムのメンテナンスやリリースというものは基本的に、それが使われていない時間帯に行われる事が多いので、どうしても休日出勤や夜間作業というものが発生する。そしてトラブルが起きれば使う人の業務が止まってしまうので、リカバリーするのに何日も徹夜になることもあった。自分は最高で10日間、一睡もせずに仕事した事があった。人間10日も寝ないでいると免疫力も何もかも低下する。その時も最後は、屋外の喫煙所のベンチで横になってて虫に刺されただけで、頭が1.2倍くらいに腫れ上がってしまった。休むわけにもいかず、しかしデコも瞼もパンパンに腫れ上がり恥ずかしいので、サングラスをかけて出社した。寺尾聰

ここ2、3年くらいで随分変わったな、と感じるのは、そんな残業が減ったなあ、と。まあ元々がおかしいのだけど、ようやくそういった長時間労働が問題視される風潮になって、大手の会社であれば残業時間のチェックが入るようになった。

 

努力はしたけどだいたい「運」

大企業の社員というわけではないから、ここまでやってこれたのは、今の会社が小さいながらもきちんと成果を出してきたことに対する評価あってのことで、その中で自分自身も、そんな会社の社員として、辛うじて恥ずかしくない程度には、成果を上げて来られたからかな、と思う。

時にはリスクも取ってきた。凡そ身の丈に合わない規模、かつやったこともないような業務を「出来ますよ」なんて答えちゃってから、大手町のホスティングルームで「どうしたもんかね」なんて独り言言いながら、連日サーバーと向き合ってた事もあった。

なんで今までやってこれたのか。頑張ってきた自覚もあるけど、殆ど「運」なんじゃないかな、とこの頃は思う。

 

割り切り

自分はフリーのプログラマーとして食っていた時代もあったので、技術が全てだと思っていたし、技術がない人間は仕事なんか貰えない、と思っていた。

結婚を境に、その辺の考え方は物凄く変わった。結婚後パソコンが壊れてしまってから、自分のパソコンを買う余裕がなかったのもあるし、家にいてまでコンピュータを触っていたくなくなった。

その分、会社では頑張った。職場にいる間に、手元の道具だけで、きっちり成果を出す。ひとたび会社を出たら、会社の人たちと飲みに行って仕事の愚痴を吐くこともしない。会社以外の場所で仕事のことを考えるのは、せいぜい行きの電車だけ。その辺の割り切りによって、メリハリが出来たことは、自分にとっては結果的には良かったのだと思う。

が、この頃、会社の(比較的)若い奴らが色々学んでいるのがちょっと、懐かしかったり羨ましかったりしている。

最近たまたま縁あって、15年ぶりくらいに中古のパソコンを入手出来た。出来た、という言い方は変だが、テレビとパソコンはもう一生買うことがないと思っていたくらいなので、たまたまとしか言いようがない。今は離婚して時間もあるし、折角なので、自分の仕事では今のところ縁のない、モバイル向けの開発でも勉強してみようかな、という気持ちになっている。

若い技術者は往々にして最新のイケてる技術が実際の仕事の現場に採用されないことに不満を持つものだし、それはそれでよくわかるが、結局言語やテクノロジーは道具でしかない。客の困りごとについて問題解決できるのであれば、道具は関係ない。だから何かを学ぶとき、自分は単に引き出しを増やす気持ちで取り組んでいる。それがベストとは思わないが、それでやってこれたのだから、それはそれで一つの形ではあろうかと思う。

 

来年9月に特定派遣が廃止になる

そのことが、自分の仕事ぶりに影響があるのかないのかよくはわからない。まあ仮にあったとして、あんまり不安視はしてない。自分自身既にいい歳だが、自分より仕事の出来ない奴は腐るほどいる。仕事のやり方をわかっていて、問題解決できる技術さえあれば、食っていけなくなることはないだろう。まあその楽観的な性格故、30年もサラリーマンやってこられたんだな、とは思う。あとはとにかく、体だけは丈夫だったこと、かな。メンタルも体も、3回ずつくらい死んでてもおかしくなかったようにも思うし。

  

そんなわけで30年間、サラリーマンとしてサバイブした俺、お疲れさまなのである。