東京さばい部

TOKYO SURVIVE 東京砂漠で生き残れ

令和元年ベストアルバム

まだ6月なんだけど2019ベストアルバム決定。

まず、第2位。

古市コータロー「東京」

東京(CD)

東京(CD)

 

ついさっき、鶯谷東京キネマ倶楽部公演から帰ってきました。4年前にソロアルバムを出したときのツアーと同じ場所、メンツ。この会場個人的には大好きだし、コータロー氏もよく似合っている。

今日は特別ゲストで、元RCサクセションの仲井戸“チャボ”麗市氏も登場。もしかしたら、と予想はしていたけど、実際出てきたらそりゃシビれましたよ。

アルバムは、自分がザ・コレクターズの長年のファンということを差し引いても大名盤。昭和のシティポップを意識したとのことだけど、自分にとっては一番いい時代のジュリーの匂いがする。ライブにゲスト出演した仲井戸麗市氏も参加。あと元キャロルの内海利勝氏、そして息子さんが1曲ドラム叩いてます。上手い。

アルバムのアートワークは全編、川島小鳥氏の写真で構成されていて、別途写真集も発売されてます。興味のある向きはそちらも。

明日、6/9も東京キネマ倶楽部でライブありますよ。うっちゃんゲスト、あったりするのかな。どうでしょう。

 

そして、第1位。

タイラー・ザ・クリエイター「IGOR」

IGOR [Explicit]

IGOR [Explicit]

 

エミネム聴き出してから、久しぶりにヒップホップにアンテナを伸ばし始めたのですけど、そんな折、発売されたタイラー・ザ・クリエイターの新譜。こんな「どオルタナティブ」な一枚が、発売と同時にビルボード1位ってことで、こういう音楽が評価されるとこはアメリカ、ホント素晴らしい。

ヒップホップの人がソウル・ポップ寄りなアルバムを出す、という趣きについては、アウトキャストの2003年のアルバム(そんな昔?マジかよ・・・)「Speakerboxxx/The love below」をちょっと思い出したりしたんですけど、タイラーのこのアルバムは、全12曲で40分しかないんですよね。その長さが、とてもよい。集中して、通しで聴いて、またリピートしたくなる。歌われているテーマが一貫して「失恋ソング」で、この人YouTubeで探すとコメディアンみたいなことばっかりやってるんだけど(笑)このアルバムの歌詞は比較的シンプルだけどグッとくる。というか、最後の曲が終わったとき、ものすごく感動してる自分がいる。アルバムを通しで聴いてこういう気持ちになることは、久しく無かったなと。

山下達郎の「Fragile」をサンプリング、というかカバーしてる曲もあったりと、何故かここに古市コータロー氏のアルバムと「シティポップ」繋がりがあったり。それに、タイラーは普段シンプルなスケーターっぽいファッションをしてるのだけど、このアルバムとツアーでは一貫して、金色のマッシュルームカットのウィッグにスーツ、というあたりにまた、加藤ひさし的なザ・コレクターズ繋がりを感じたり・・・不思議な、というか、変な符合。まあそんなことを感じているのは世界で自分だけだろうけども。

とにかく、リピートする度にスルメのようにジワジワ味の出てくる傑作。

2人に共通してるのは(別に共通点を探さなくてもいいんだけど)、普段のインタビューだったりポッドキャストだったりでは、笑えることばかり言ってるんだけど、いざ音楽となるとバリッとキメてくるあたりですかね。

今年は残りまだ半年あるんですけど、これを越えるようなアルバムにはなかなか出会えないだろうなあ、という2枚を紹介しました。それでは。