私の石鹸生活 - アレッポの石鹸編
以前私は、このような記事を書いておりまして。
それ以前もそして今日に至るまで、私は石鹸派でありまして。頭も顔も体も一つの石鹸で洗う。効率的だし、何より混じり気のない石鹸で洗うのは、気持ちが良い。
そんな私ですが、同時にエコノミックアニマルでもありまして。とにかく値段が常に気になるので、シンプルに安い石鹸を愛用していたのですが、先日、東急ハンズに行って石鹸を物色していた際に、前々からどうしても気になる石鹸があって、清水の舞台から飛び降りるつもりで購入してしまった。いやそこまて高くはないけど。
そもそもアレッポの石鹸とは
買ったやつ見ると「シリア製」と書いてます。1,000年前から伝統的な製法を守りつつ、オリーブオイルとローレルオイルを主原料として無添加・昔ながらの釜炊きで作られる石鹸とのこと。
いくつか種類があるのですが、ノーマルバージョンはオリーブオイル90:ローレルオイル10の割合。自分が購入したエキストラ40ってやつは、オリーブオイル60:ローレルオイル40の割合。
開封の儀。
ベリッ。以上。
開けるとめっちゃウッディな香り。ちなみにウッディな香りって表現は香水の香りの表現でもよく出てくる言葉ですけど、自分の場合ウッディというとベイ・シティ・ローラーズのウッディが浮かんじゃう。タータンチェック。サラレナイ。ロックンロールラブレター。きっと若者には通じないネタだ。
閑話休題。で、使用感は。
1. デカイ。
高いと言いましたけど、サイズがタバコの箱二段重ねくらいの大きさなんです。これそのまま使うとデカいので、小さいサイズを買うか、カットして使うといいかもしれません。カットする際は、もんのすごく硬いので、怪我しないよう注意です。
ちなみにカットすると断面はこんなに綺麗なオリーブグリーン。釜炊きしたあと何年か熟成するという工程を経て製品になるので、こういう具合になるわけですね。
2. おうちのお風呂が檜風呂に
ローレルオイル40%の効果かと思いますが、檜風呂の如くウッディな香りが充満して、おうちのお風呂が檜風呂フィーリングになります。檜風呂の香りがダメ!って人がいるならやめた方がいいかもですが、僕は檜風呂大好きなんでオッケーです。めっちゃリラックスできます。
3. 洗い上がりサッパリ
勝手に「あんまり泡立たないんじゃないか」と想像してたのですがぜんぜん普通だし、洗い上がりがとにかくサッパリします。あと、髪の毛がなんか柔らかくなったような。まあシャンプー変えたときとか「おっ、髪の感じが感じが違うぜ?」みたいなことよくあるので、そういうことかも知れませんが。「※個人の感想です」ってことにしようかな。
気になるシリアのこと。
ところで冒頭書いた通り、シリア製ってことで、シリアといえば長いこと内戦が続いている土地なので、その事は少し気になります。実際、工場が移転したり、大変ではあるようです。なんかこれを買うことでそこに暮らす人たちの、幾ばくかの支援になったらいいなあとは思います。
というわけで、総合評価、星3つ★★★ってことで、オススメしますよ。ではまた。
高血圧と血圧計の話。
去年の11月頃かな、寒くなって登山からも足が遠のいていた或る日、「何の制約もなく食べまくったら一体どんくらい俺は太れるのだろうか」なんてな事を思い立ってしまったからいけない。あれよあれよという間に肥えて、年末辺りには人生初の70kgをマークしました。
で、その体で1月に会社の健康診断受けまして、肥ったのはまあ分かってるんですけど、まず血圧が前年までの比で、凄く高くなってました。そして、視力が落ちました。後日貰った問診票みると、血中脂質の値も高くなってた。
太る→血液の脂が増える→血圧が上がる→視力が下がる
これが、みんなに当てはまる事なのかどうかは分からないけども、自分はそうなって、何となくその流れは腑に落ちたわけです。
で、視力が落ちるのは色々困るなあ、と思って、少し体重を戻したのですが、血圧がなんかずーっと高いような、自覚症状がある。
特にここ数週間、その傾向が顕著で、朝一番のミーティングでちょっとイラつく流れになると頭にグワーッと血が登って耳鳴りがする。肩こり頭痛も止まらない。ついには先日サウナから上がって水風呂から出たら、フラフラっと目眩がする始末で・・・いっつも温泉とか行くと必ずサウナ入るんですけど、過去一度もそんなこと無かったので、こりゃちょっと、いかんなあと。そんなわけで。
Bluetooth付きの血圧計を買いました。
選んだのはこちら。
こちら、Bluetooth搭載で、測定結果をiPhoneやAndroidスマホに記録できて、iPhoneだと純正の「ヘルスケア」アプリとも連動できます。
僕は既に「MOVES」ってアプリで歩数を連携したり、「Sleep Time」ってアプリで睡眠時間を記録したりしてるので、まあこういった「連携してログを取れる機能」は、習慣化に役立つのが分かっているので、何とか使い続けられるかな?と期待して、この機能を重視して選びました。
「スマホ連携可能」は注意が必要
オムロンは割と以前から「スマホ連携可能ウリにした血圧計」を出しており、家電量販店でもAmazonでも、旧製品が結構安い価格で売られています。ただし、注意が必要なのが、以前は「ウェルネスリンク」というネットサービスと連携した「わたしムーヴ」(docomo製)というアプリを介して連携可能だったようなのですが、まず「ウェルネスリンク」が2017年の12月にサービス終了が決定しています。そしてオムロン自身が新たに「OMRON connect」というアプリをリリースしています。それに対応している血圧計の機種が、現時点では限られています。僕が買った「上腕式」だと、昨年末から発売された5機種が対象です。(手首で計測する「手首式」も含めると、もう少しありますが)
旧サービスとなる「わたしムーヴ」は今後どうなるか、まだよくわからないのですが、スマホ連携を期待して買う方は、価格だけで選んでしまうと、先々機能が使えなくなるかもしれません。
ヘルスケアと連動するには設定が必要!
ところでオムロンのアプリ「OMRON connect」の設定は、初回起動時にウィザード形式で進めていけば大体オッケーなんですけど、iPhoneの「ヘルスケア」と連動するにはさらなる設定が必要です。
アプリのメニューから「連携アプリ・サービス」を選択
ヘルスケアをタップ
同意を求められるので「同意する」を選択
データのアクセス許可を設定。すべてのカテゴリをオン。
以上をやった上で、機器とアプリを連携すると、アプリで取得した結果が、
ヘルスケアにも反映されます。しかしこの数値で大丈夫なのか俺。(多分測り方に問題あり。姿勢大事)
まあ測って血圧下がるわけじゃないけど
それはわかってるんですけど、ま、何をしたら上がった/下がった、みたいな傾向を掴めたらいいかなあ、と思っています。
あとね、部屋が寒いと血圧上がるらしいんですよね。部屋が寒くてなー。エアコンつけてもつけても寒いんですよね。1Fだし、すきま風も入るし。家賃が安いから文句は言えませんが。春になったら血圧もしれっとフツーに戻ったりして。
それでは皆様、くれぐれも御自愛下さい。じゃまた。
山で温かいものを食べたい(小市民編)
夏場は週2ペースで行っていた登山であるが、冬になってすっかり月1ペースになってしまった。
だって寒いんだもん
というのはあるけれど、正直、一番の理由は気温の寒さより懐の寒さ、「電車代も馬鹿にならないのだよ」である。決して自分金持ちではないので由々しき問題ではある。冬関係ない。
しかしながら、山頂で北風に吹き付けられながら携行食を口にするとき「侘しいのう。温かいものが食べたいのう」と思わずには居られないのである。しかし金の事情があるから、何か買うにもとにかく一大決心である。
仮にターゲットとする温かい食べ物を「カップラーメン」としよう。たかがカップラーメン、されどカップラーメンである。山頂で食べるそれは、心も躰もポカポカにしてくれるに違いない。さて、
カップラーメンを食べるにはお湯が必要
である。真っ先に思いつくのはお湯を沸かす器具を買うことである。こないだ店頭でチェックしたこれなんか良さそうである。
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これの素晴らしいのは、500mlの水を2分強で沸騰させられるということである。そしてなおかつ、ガスボンベ等の付属品をまるっと上のカップ部分に収納できて、大きさも小さい。
先日観に行った「メルー」でも、メルー制覇に挑む3人のテントの中にこれがぶら下げられていたのを、俺は見逃さなかったのだ。
自分、ミニマリストなので、装備がいわゆる「ファストパッキング」、小型かつ軽量であることを是としている。故にバッグパックも10リットルのこんなんである。
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ジェットボイルZIPなら、このバッグでもギリギリ収納可能であろう。よし決定、と思ったところで気がついたのは、沸かすモノ持ってても肝心の水はどうするんだ、と。別途水筒に入れていくのかと。ダメじゃん。振り出しに戻った。
水筒はどうよ。
ならば水筒にお湯を入れて持っていけば、荷物にはならない。サーモスの「山専ボトル」という製品があって、相当冷めにくいというのは知っていたが、若干割高で二の足を踏んでいた。そんな折、我らがモンベルから、ほぼ同等の性能でちょい安い、これが出た。
0.9リットルと0.5リットルの2種類がある。これ、普通の水筒に見えるがなんと、95度のお湯を、6時間後でも81度の水温をキープ出来るという、超優れものなのである。もーこれしかないじゃん、と一度は決めかけた。
そもそもさ
ところで「サバイブ」をテーマとしている本ブログにおいて、気になるのはサバイブしていくための道具としてどうなんだ、というところである。お湯が冷めない。これはいい。だがしかし、例えば今、大地震が来てガスが使えなくなったとしよう。お湯を沸かせないのに、水筒を持っていて、一体何の役に立つのか。
やっぱ水筒じゃダメだ。いざというときに役に立つのは火力だ。でもライフラインがダメになるってことは、水も来ないことがあり得るよね。んー。何が正解なんでしょうか。つまり両方あるに越したことはない。でも両方持ち歩くことになったとしたら、でかいリュックも必要だね。高いよね。あとそもそも、あんまり色々モノを所有するの、好きじゃねーんだよねえ。困困困困困。
そんな逡巡を、この冬の間中何度も繰り返しておりまして、そろそろ暖かい春がやって来そうな、今日この頃であります。
トップの写真は、昨年の秋に札幌で、旧友と登山に行った際、友達が煮てくれたマルちゃんダブルラーメンです。美味しかったなあ!嗚呼。
あ、ジェットボイルもアルパインサーモボトルも、モンベルの店舗に行くと実物見られます。モンベル最高。では。
映画「MERU/メルー」観てきましたよ。
あけましておめでとうございます。
皆さんどんなお正月をお過ごしでしょうか。僕は昨年末、会社のビンゴ大会で安いAndroidタブレットを当てまして、テレビもパソコンもない僕の部屋に、文明の利器が導入されたのが嬉しくてですね、早速Amazonでケースを物色しまして。で、良さげなケース見つけて、レビュー見たら「魚臭い」って書いてるんですよね。魚臭いってなんだよ!嫌だよ!と思って、それより300円くらい値段が上のやつを選んで注文したんですけど、届いてみたら魚臭かったので、ウンザリして映画を観に行くことにしました。
観に行ったのは昨年末、Twitterのタイムラインで見かけて、気になっていたこの映画。
映画『MERU/メルー』公式サイト 6.7 DVD&Blu-ray発売 DVDレンタル同時開始
僕自身、昨年から山登り始めて、とはいえこの映画の舞台のような、ハーケン使って登るようなとこにはとてもとても登れる気がしないのですけど、ちょっと興味沸いて、観てきました。
ドキュメンタリー映画なのでまあ、それほど期待してなかったのです。だってこのレベルの登攀だと、映像の貴重さだけでも成り立ちそうな気がするじゃないですか。ところがぎっちょん認識が甘かったですねー。
事実は小説より奇なり、な人間ドラマ
ヒマラヤ山脈メルー中央峰にそびえる岩壁「シャークスフィン」に挑む3人のクライマー達の挑戦の記録であるこの映画、実際の登攀の映像も勿論見所ですが、そこに至るまでの彼ら、そして彼らの周りの人たちの生き様・人生観にもスポットライトを当てて、それぞれの様々な想いが絡み合い、それらをまるっと背負った3人が難攻不落の岩壁に望むドラマ、予想以上に、胸にこみ上げるものがありました。
この映画に出てくる人全員が、生きること、人生に賭けること、人を信頼するということについて、メーターが振り切れそうなくらい真摯な生き方をしている。翻って俺はどうなんだ?精一杯生きているのか?と、お正月から喝を入れられた気分でした。これ観たあとハシゴして「ローグ・ワン」か「この世界の片隅に」でも観ようかな、と思ってたのに、すっかり満足してパンフ買って帰ってました。
パンフレットもものすごくよい
パンフレットには実際の映画に登場した人たちのエピソードの他に、日本人メルーサミッターである馬目弘仁、黒田誠、花谷泰広の三氏の寄稿文も載っていまして、こちらも相当ドラマチックです。文章の分量も多く、大判で写真もなかなか綺麗なので、観たあとはパンフレット購入、オススメします。
というわけで、元旦からいい映画観ました。これで2017年もサバイブしていけそうです。
なんか流れでつい、Amazonプライムで「クライマー パタゴニアの彼方へ」って映画も観ちゃいました。こちらは前半ちょっとダレるけど、最後は手に汗握ってしまいました。とち狂ってロッククライミングとか始めきゃいいんですが、自分。危ないなあ。
それではまた。
iPhoneの液晶保護ガラス
初めて買ったiPhoneは4Sで、僕は基本、iPhoneをケースに入れない派なので、おしまいの方は画面のガラスがバッキバキに割れてイマドキの女子高生みたいでした。最後なくしちゃったんですけどね。
なので5Sに機種変してからはガラスの保護フィルムを貼っています。それでも5Sの頃は半年に1回、6Sにしてからは3か月に1回は落として保護ガラスを割ってます(笑) それでも本体は無傷なので、まあ用は満たせてるんですけど、定期的に出費してることになりますね。
保護ガラスもピンキリ
保護ガラスもピンキリで、高いのやら安いのやらゴリラガラスやらドラゴントレイルやら色々ありまして、僕も各種試してみましたが、どんだけ高硬度をうたっていたところで「ガラスは落としゃ割れる」ってことで、僕はここしばらく安いこれ一択です。ついさっき、また貼り替えたんですけどね。
アイソニックの保護ガラス
安いに越したことはないんですけど、ひとつだけ、どうしても譲れない拘りがありまして、それは何かというと、ホームボタン周りのデザイン。逆Uの字で下が抜けてるデザインであれば、もっと安いガラスがあるんですけど、それだと「保護フィルム貼ってまーす」って感じでどうしても格好悪く、安っぽく見えるので嫌なのです。その点、この製品はホームボタンに合わせてジャストサイズで丸く抜いてあって、Touch IDの使用も問題なく、そこがとてもお気に入りなのです。
比較的安いし、薄いし、ちょいとコツはいるけれど貼りやすいし、綺麗だし、何でだかTPUのソフトケースまでオマケで付いているので、お得です。
iPhone7 / 7 Plusの人はこちら
本体ガラスが割れちゃうと、修理代が高くて考えただけでブルーになるし、かといって放っておいても、割れてるガラスを見る度ブルーになるしで、サバイブどころではなく全てが嫌んなっちゃうので、そうなる前にオススメしときます。それではまた。
ラジカセ買ったら一日で壊れた件
前回の記事で紹介したこれ、
2016年発売のラジカセ!ってわくわくして今年の少ない少ない冬ボーナスから唯一の買い物としてこれを買ったら、46分テープ1本撮り終える前に壊れました。
で、叩くためではなくて、何とか改善してもらいたくて、この記事を書く次第でございます。
録音中の誤操作を防ぐためだと思うのですが、これ、録音ボタンを押すといろいろ操作が出来なくなる機構がありまして。
で今回は、外部入力から録音するのに、録音ボタンを押して、外部入力音源の頭出しに失敗して、あ、ミスった、とすぐさま停止ボタンを押しました。
タイミング的に、録音ボタンをトリガーとしていろいろ内部で切り替える動作が終わる前に停止を押されたせいなのだと思うのですが、中途半端な状態になり、テープが取り出せなくなっちゃった。
停止ボタンも早送りも反応しないし、再生ボタンを押すと早送りしかけてすぐ止まるし、にっちもさっちも。
とりあえず初期不良として良品交換してもらうつもりなのだけど、僕が買ったものが購入店舗のラスイチ在庫だったので只今在庫入荷待ち。
そして多分、気をつけて操作しないと、同じ事になりそうな気もする。
物理ボタンのがいいのかなあ
例えば同じ東芝でも、このダブルカセットのやつ。
これなんかはカセットの操作ボタンが物理スイッチ、つまりカセットの再生ボタンだったらバネでヘッドを繰り出す、という専用スイッチなので、今回陥ったような状態にはなりにくい気はするんだけど、僕が買ったやつはCD、カセット、SD/USBで操作系のボタンが共通なので、例えば再生ボタンを押すと、モードによって何の再生を行うのかをICで振り分けて、みたいな内部処理が行われる機構なので、内部でどうにかなっちゃうとどうにもできないんですよね。
コールセンターとかに聴けばXXXとXXXを同時長押しで初期リセット、みたいなコマンドはあるのかも知れないですけど、説明書に書いて欲しい、そういうのがあるのなら。
というわけで少しガッカリなのですが、外部入力やSD/USBからカセットにも録音出来てカセットのハイポジ切替スイッチが(再生のみとはいえ)あって、という機種はこれしかないのです。東芝さん折角よい商品出してるので、もう少し頑張ってください。じゃないとサバイブできないすよ。
まあ自分のこういう引きの強さも相変わらずだと思うんですけど・・・負けないよ。
カセットテープ・リボーン
今、巷では「カセットテープ」が来ている。
音楽雑誌DONUTの最新号の特集は、その名も「カセットテープ・イズ・ノット」である。
そして中目黒には、あのAmazonを辞めてまで、カセットテープ専門のお店を開いた人がいる。
カセットテープが持つ新しい価値の創造。Waltzから発信される『アートプロジェクト』とは | リクルートライフスタイル
自分に関して言うと、完全なるカセットテープ世代であった。時代がレコードからCDになり、ついには配信になり、カセットの出番はなくなった。だがしかし。
実は去年、カセットテープをMP3に変換できるプレイヤーを買った。
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これではないが、こんな感じの。
理由は、実家に山とある、カセットテープ音源を聴きたくなったからだ。
今年デビュー30周年を迎えたザ・コレクターズ、自分が10代の終わり頃、彼らの「ほぼ追っかけ」状態であった。その時に人づてで集まったカセット群が、実家に山ほどあった。
そしてそれだけではなく、中高生時代に、毎晩FMラジオ番組「クロスオーバーイレブン」でエアチェック(※1)した音源たち。
※1・・・ラジオ番組もしくは番組内でオンエアされた曲の録音を行うこと!死語らしいが。
ちょっと昔話になるが、自分は札幌生まれ札幌育ちで、輸入盤は日本一号店である「タワーレコード札幌店」が頼りであったが、タワーはアメリカ発だったので、イギリス盤の扱いが少なかったのである。そして自分は生粋のブリティッシュロック育ちなので、話題の新人ブリティッシュバンドが出ても、音源を手に入れるのは非常に難しかった(その後CISCOが出来て、多少状況はよくなるんだけども)。
クロスオーバーイレブンは、そういうバンドの曲をよくかけてくれたのである。ロータスイーターズも、アイシクルワークスも、この番組がなかったら聴けてなかった。
閑話休題。で、プレイヤーは買ったものの、肝心のカセットを、なかなか実家に帰る暇がなくてですね、聴けなかったんですが、とうとう今年持ってきた。
カセットを入れて、再生ボタンを押す。A面の終わりまで聴く。余っているテープを早送りする。ひっくり返してB面を聴く。楽しい。MP3にする必要は全くなかった。
これが音楽を聴くということ。
iTunesで音楽を買って聴くようになって随分経つ。iTunesは便利だ。購入ボタンをタップすれば瞬時に再生できる。CDをたまに買っても、すぐさまエンコーディングして、iTunesに取り込んでしまう。もうそういうことになっている。
昔はどうだったのか。レコード屋でレコードを買う。勿論その場で聴くことは出来ないから大急ぎでチャリンコで家に帰る。袋からレコードを大事に取り出し(落として傷などついたら一大事なのだ)ステレオの前で正座しながら聴く。
外でも聴きたいから、カセットテープにダビングする。レコードをカセットテープに録音するのに、倍速とかそういう手はない。レコードの再生にかかる時間分、録音時間がかかる。
そうやってダビングしたテープのジャケットを、雑誌の切り抜きやらコラージュを駆使して自作する。そうやって出来た46分カセットの2本くらいとウォークマンをポケットに入れて持ち歩く。CDみたいにスキップ出来ないから、だいたいテープ順通りに再生する。
今の「音楽を聴く」という行為は、何かが足りない、というような言われ方をする事があるが、何かどころではない、改めてカセットテープを手にすると、配信の音楽を聴くというのは、体験として「無」に等しいと思った。
これはなかなか言葉で伝えるのが難しいが、手間がかかるからいい、という単純なことではなく、この行為こそが音楽を聴くということであった、と、そういう感じなのだ。
だからもしカセットテープに触れたことがない世代が、カセットテープに魅力を感じたとしたら、それはよくわかる。これは恐らく、全く新しい体験であろう。
そして今週カセットテープ音源を買いました
今週、ディアフーフの2年ぶりの東京でのライブを見に行った。今年発表したアルバム“The Magic”のUS通販、初回600枚限定で、彼らはカバー集のカセットテープ音源をおまけにつけた。僕はそれを買いたかったのだが、自分のクレカが海外で使えないやつ(最近よくある)だったので断念したのだ。
それがライブの物販で売られていた、自分が手にしたのは最後の1本ということであった。もう目にする事は無いであろうと思っていたから、とても嬉しかった。
先ほど昔の札幌のレコード屋事情を書いた。今ならYouTubeを探せば、だいたいのものは見聞きできる。探す事に殆ど労はない。これはいいことだと思ってはいるのだけど、反面こうやって探したり会えなかったり偶然巡り会ったり、というのも、忘れていた感覚であったのだ。
ついでだがちょっと驚いたのが、このカセットが入っていたケースである。昔のプラスチックのやつではなく、薄いポリのソフトケースに入っている。このケースすごくいい。全部これに入れ替えたいくらい。
ところでラジカセはまだ売っているのか
これまたビックリであるが、東芝が今月2台の新製品を出していた。
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TY-CDX9の方は、テープをUSB/SDに録音出来るのは今どきの仕様として、逆にUSB/SDから、もしくは外部入力から、テープに録音出来る。これは、、、またミックステープ作って人にプレゼントすることが出来るじゃないか。
ただ、ラジカセって、CDラジカセになってからだいたいこういう箱形になってしまったが、昔みたいな薄くて縦長デザインの方が、壁際や窓際に置けて、独り暮らしにはいいと思うんだけど、どうでしょう。
そんなわけで、約30年の期間をサバイバルして戻ってきたカセットテープ。僕と同世代もしくは歳上のミュージシャンならば、カセットテープに親しんで来た時代があったはず。是非新作をカセットテープでリリースして、その音楽体験を、若い世代に再び伝えて欲しいな、なんて思いました。
そして池袋パルコ本館では、12/27(火)まで「大ラジカセ展」やってるので、お見逃しなく。
自分が中学校の時使ってたSANYO U4の赤もあった!これにポリスの「シンクロニシティ」のテープ入れて、夏のキャンプに持っていって聴いたっけなあ。泣ける。
ついつい長くなっちゃった。それじゃまた。
ラジカセ for フューチャー: 新たに根付くラジカセ・カセット文化の潮流
- 作者: 松崎順一,熊谷朋哉
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2016/06/10
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